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2015年度 高校卒業式式辞 「平和の橋をかける」

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 同窓の森にある紅白の梅が咲き始め、聖霊の丘を囲む自然の中に、静かに近づく春を感じる本日、大勢の来賓をお迎えして、ここに第62回卒業式を執り行うことができますことを、心から喜び、深く感謝申し上げます。

 

 ご列席の保護者の皆様、お嬢様の高校ご卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。皆様には長い間、この聖霊中学・高等学校に対し、親身にご支援、ご協力いただきました。誠にありがとうございました。改めて厚く御礼申し上げます。 

 

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。3年前、皆さんの入学の約一か月前に、ローマ法王フランシスコはカトリック教会の二千年の歴史の中で初めて南米出身の教皇に選ばれました。入学式では私はそのことについて話をしました。 

 

 そして、皆さんのこの卒業式のたった2週間前に、もうひとつ歴史的な出来事が起こりました。東西キリスト教会が千年前に分裂して以来はじめて、ローマカトリック教会のフランシスコ教皇はロシア正教会の最高指導者キリル総主教と会談しました。このような対話によって、教皇は他の宗教との理解を深めようとされています。 

 

 また、皆さんご存知の通り、米国は今年、大統領選挙の年にあたります。ある候補者は予備選挙の演説の中で、不法入国者を止めるためにメキシコと米国の2000km以上の国境に壁を作ると提案しました。このことについて、フランシスコ教皇が新聞記者から質問を受けました。「国境に壁を作ることについてどう思われますか?」と。

 

 その質問に対して教皇はこう答えられました。「国と国、また人と人との間に橋を架けるのではなく、壁を作ろうとする人はクリスチャンではない」と。もちろん、その候補者はクリスチャンです。しかし、教皇は一人の候補者を個人的に批判したのではなく、人間のあるべき姿について述べ、私たちに忠告されたのです。 

 

 フランシスコ教皇のおっしゃることは、その通りだと思います。長く分裂した宗派、また憎しみで対立している国、また差別や貧困の格差などで分け隔てられた人々には、壁ではなく、橋渡しが必要です。フランシスコ教皇はご自身の行動と言葉によって、人々との間に橋をかける模範を示されています。

 

 皆さんは気づいていないかも知れませんが、フランシスコ教皇が進められている「橋をかける」という愛のわざを、皆さんは「光の子の生活」を通して実行していると思います。今年、卒業する皆さんは「光の子として生活せよ」という聖霊高等学校の教育理念をふまえて「光」をテーマとした学年目標をたてていましたね。「光輝く女性を目指そう」というテーマを掲げ、神様からいただいた自分の才能を磨き、力を伸ばし、社会に役に立つ人になろうとしていました。 

 

高校一年生のとき、「光の輪を広げよう」というテーマで老人ホームや保育園などボランティアをすることによって高齢者や小さい子どもとのかけ橋を造り、その光を周りの人々に与えようとしました。 

 

 3年間または6年間、皆さんはいつも元気な声で祈りを唱えたり、そして、同じ元気で明るい声で挨拶をしたりする学年でした。学年主任の山口先生がよく私に言いました。祈りとあいさつを大切にする学年は崩れないと。確かにそうです。皆さんは崩れなかっただけでなく、本当に光の子として生活しました。祈りによって神と自分との関係、そして、あいさつによって周りの人々と自分との関係を大切にしました。祈りとあいさつによって神様と周りの人々の間に橋を作って、お互いのつながりと絆を深め、多くの人々に喜びと光を与えました。 

 

 皆さん、これから先も「光の子」として多くの人々を分け隔てている壁ではなく、人々をつなげる橋を作ってください。皆さんは今日、この聖霊を卒業して、新たな世界に旅立とうとしています。それぞれが歩む新たな人生のその先々で、世の光となり、いつまでも「光の子」として多くの人々と橋をかけて光を照らすようにと祈って、私の式辞といたします。