聖霊中学・高等学校
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2015年度 中学卒業式式辞 「平和の橋をかける②」

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 寒さが和らぎ、春のうららかな日差しが感じられる今日、大勢の来賓をお迎えして、ここに第65回卒業式が行なわれることを心から喜び、感謝申し上げます。 

 

 ご列席の保護者の皆様、お嬢様の中学校のご卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。皆様には3年間、この聖霊中学校を親身になって支えていただきました。 改めて厚くお礼を申し上げます。

 

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。一言メッセージを皆さんに伝えたいと思います。

 

 私の出身の米国は今年大統領選挙の年です。アメリカの大統領選挙は予備選挙というものがあり、今はその時期です。テレビで伝えられているので、知っている人もいるかも知れません。その予備選挙の演説の中で、ある候補者が、アメリカへの不法入国者を止めるため、その相手国であるメキシコと米国の間の2千キロメートル以上ある国境に壁を作ると宣言しました。「万里の長城」のような壁を作って、不法入国をやめさせるということです。このことについて、メキシコを訪問していたローマカトリック教会の最高指導者フランシスコ教皇が、新聞記者から「国境に壁を作ることをどう思いますか?」と質問を受けました。

  

 その質問に対して教皇はこう答えられました。「国と国、また人と人との間に橋を架けるのではなく、壁を作ろうとする人はクリスチャンではない」と。もちろん、その候補者はクリスチャンです。直接ではありませんが、教皇は壁を作るという宣言を批判したということでしょう。

 

 フランシスコ教皇のおっしゃることは、その通りだと思います。憎しみで対立している国々、差別や貧困などで分け隔てられている人々との間には、壁ではなく、橋渡しが必要です。

 

 このフランシスコ教皇が進めている橋をかけるという愛のわざを皆さんは光の子の生活を通して実際に実行していると思います。今年戦後70年目にあたって皆さんは、平和を広めるためにいろいろな企画を立てました。一番感動したのは皆さんが 聞き取りをして、生徒会が中心となって作った戦争体験記です。自分の祖父母またひいおじいさんとひいおばあさんから、彼らが第二次世界大戦で体験したことを聞いて、レポートにして、そして文化祭で展示しました。

 

 初めて祖父母たちの戦争体験を聞いた生徒もいると思います。この活動によって戦争を体験した方々と戦争を知らないあなたたちとの間に橋を作りました。そして、この体験記を文集として残すことによってこれから入学する後輩とのかけ橋を作って、彼女たちにも平和の大切さを伝えることができます。

 

 敵国であったアメリカで育った私は皆さんが書いたその体験記を読んだお蔭で広島、長崎、沖縄の他にこの愛知県でも、皆さんに近いご親戚も戦争のため苦しんでいたことを知って涙がでました。そして、戦争の恐ろしさ、むなしさ、残酷さをまた改めて感じました。体験記によってご親戚と私の間にも架け橋のような絆ができたという気がします。

 

 また、国語の授業では平和についての俳句を作りましたね。新聞に載ったものもありました。この俳句を通して校内だけでなく、一般の人々とのつながり>ができて平和の大切さを またもっともっと広く伝えることができました。

 

 戦争は人と人、国と国との間のかけ橋を壊し、絆を断ってしまいます。皆さんは、これからも周りの人々との間に橋を作って、お互いのつながりと絆を深め、多くの人々に喜びと光を与え続けてください。

 

 皆さんが高等学校に進学してからも、世の光となり、光の子として人々のかけ橋となれるよう、そして周囲の人々を明るく照らす人になれるようお祈りし、式辞といたします。