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2019年度 高校卒業式式辞

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 同窓の森にある紅白の梅が咲き始め、聖霊の丘を囲む自然のうちに、近づく春を感じる本日、南山学園理事長市瀬神父様をはじめ大勢の来賓をお迎えして、ここに第66回卒業式を執り行うことができますことを心から喜び、深く感謝申し上げます。
 
 ご列席の保護者の皆様、お嬢様の高校ご卒業、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。皆様には長い間、この聖霊中学・高等学校を本当に親身になってご支援、ご協力いただきました。誠にありがとうございました。改めて厚くお礼を申し上げます。

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。3年前、皆さんの入学式の式辞の中で、私が宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を引用しましたことを覚えていますか。東や西、北や南に困っている人がいれば、そこに「行ッテ」助けるようと勧めました。ちなみに、キリストが新約聖書で説いた「よいサマリア人」のたとえ話にも同じいましめがあると伝えました。思い出してくださいね。

 卒業生の皆さんを今日送り出すに当たって、ある日本人の女性を模範としながら、「光の子として、困っている人々のそばに寄り添うように」ともう一度勧めたいと思います。

 その女性とは、50年にわたって国連などの国際的な舞台で尽力した緒方貞子さんです。名前を聞いたことがあるでしょう。去年、92歳で亡くなりましたが、「日本を代表する国際人」というとき、真っ先に挙がる名前は緒方貞子さんに違いありません。

 1968年に国連総会日本代表団に加わって以来、UNICEFや人権委員会などのいろいろなポストに就き、1975年の国際婦人年に女性国連公使第1号となりました。しかし、何と言っても、一番印象に残るのは、国連難民高等弁務官としての勤めです。1990年代にイラクやユーゴスラビア、アフリカのルワンダで起こった戦争で難民が急増したときに、緒方さんが高等弁務官として動きました。安全な国連の事務所に残るのではなく、自分自身が戦場に「行ッテ」難民と積極的にかかわりました。身長が150センチぐらいでしたので、「小さな巨人」と呼ばれました。何故かというと、防弾チョッキを着込み、軍人のヘルメットをかぶって紛争地帯へ率先して出かけていったからです。

 世界中で人道支援や難民相手に活動する人たちと難民自身にとって緒方さんは母親のようなあたたかい存在だったそうですが、軍人に負けないぐらいの勇気をもって戦場に出かけ、そこで苦しんでいる難民を助ける政策を練りました。


 緒方さんは皆さんと同じように、カトリックの学校で学んでおり、「よいサマリア人」のたとえ話の教訓を習ったに違いありません。それは、国籍や宗教や民族などが違っても、困っている人がいれば、積極的にその人に寄り添って、助けるべきという教訓です。


 モットーとして「人間の尊厳のために」を掲げている南山学園と「光の子として生活せよ」を掲げているこの聖霊高等学校で勉強した皆さんが、「よいサマリア人」と緒方貞子さんの模範にならって、これからも、聖霊生らしく、困っている人や立場の弱い人々などにあたたかく寄り添って、社会に大きく貢献できるようにと祈って、私の式辞といたします。